2018年7月29日日曜日

北日本新聞 議会診断(射水市議会特集)の記事について

 今朝の北日本新聞の35面。物議を醸しそうですが、少し弁明させてください。

私も取材を受けて答えましたが、曲解されたようです。記事中、私が「同年代の市職員の方が高給取り」と語ったことになってますが、そうは言ってません。
議員年金が廃止された現状では「定年まで勤続して平均寿命まで生きると仮定して比較すれば、賃金、退職金、年金受給額をトータルした可処分所得総額は明らかにマイナスだろう。」と申し上げました。どうか真意をお汲み取り願います。

議員報酬については簡単には結論が出ないと思いますが、最初から議論を避ける必要もないと思います。定数とセットで考えるべきという向きもありますが、個人的にはできるだけ民主主義の低下をさせないためにも別問題だと思います。

また、議員などはボランティアでやるべき(実際、欧米ではそういうところもあります。)という意見もありますが、さりとて私どもも霞を食べて生きていくわけにもいかずというところです。

過去、県内の某市議会で問題が発生し、頓挫していたこの問題ですが、市民の皆様とも議論を重ね、この任期内にはなんとか方向性を見出したいものと考えています。

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2018年3月12日月曜日

去る3月7日の本会議で行った一般質問の概要です。

問1 各種基金の積み立てについて
 射水市は堅実な財政運営に努めてきた結果、財政調整基金をはじめとした各種積立金の昨年度末現在の残高は99億円強に達しているとのことである。合併以来、どのような経過を辿り、現在どのような状況となっているのか。
 また、こうした基金が全国の自治体で積み上がっている状況から、一昨年来から経済財政諮問会議などで「新たな埋蔵金」などと揶揄されるなど、問題として俎上に載せられている。財務省としては、赤字国債を発行して地方自治体の財源の確保に努めている一方で、地方全体で21兆円を超える基金が積み上がっているのはいかがなものかとしており、総務省との間で激しい論戦が続いている。本市としては、こうした議論の経過をどう受け止めているのか。
 加えて、子育て支援策などに力を注いできた一方で、各種補助金の一律カット、例えば福祉入浴券などの各種施策の廃止や公共施設の統・廃合などの行財政改革を進め、合併以前より市民サービスを低下させてきた部分が少なからずあることは否めない事実である。したがって、そうした中で積み上がった各種の基金をこれからどう活用していこうとしているのか、市当局には市民の皆さんに対して一定の方針を示すとともに、わかりやすく説明し、やっぱり射水市に住み続けていきたいと納得していただく責任があると考えるが、この点についての見解を問う。

答⑴ 基金の積立額について
 合併後の平成18年度末の基金残高は、約26億5千万円で、その内訳としては、財政調整基金が約9億3千万円、減債基金が約5千万円、小中学校の大規模改造など投資的経費に対応するための公共施設建設基金など特定目的基金が約16億7千万円であった。
 これらの基金に加え、平成20年度には、地域の一体感の醸成、福祉増進を目的とし、合併特例事業債を財源とした合併地域振興基金の造成、平成21年度には、新庁舎建設を目的とした統合庁舎建設基金を造成するなど、将来を見据え、計画的に積立ててきたところであり、平成28年度末までの基金残高は、約99億7千万円となっている。その内訳としては、財政調整基金が約38億7千万円、減債基金が約7億9千万円となっている。また、その他の特定目的基金は約53億1千万円で、主な内訳として、公共施設建設等基金が約12億9千万円、合併地域振興基金が約36億7千万円となっている。
 この間、基金全体で約73億2千万円を積立てており、主な基金の積立額としては、財政調整基金が約29億3千万円、減債基金が約7億4千万円、その他の特定目的基金が約36億5千万円(うち、合併地域振興基金は約36億7千万円)となっている。
 ⑵ 経済財政諮問会議等における議論の経過について
 経済財政諮問会議等において、地方の基金が増加傾向にあることをもって、地方財政に余裕があり、地方への一般財源を削減すべきとの議論があったということは認識している。
 本市においては、将来を見据え、行財政改革に積極的に取り組むとともに、雪害対策や災害対応など不測の事態に対応するため、計画的に基金の積立てを行ってきたところである。一方、総務省の調査では、基金増加の3分の1は普通交付税の不交付団体、いわゆる財源的に裕福な団体が占めていると報告されていることからも、地方の基金が増加傾向であることのみを注視し、自治体ごとに異なる財政状況を踏まえることなく、地方一般財源を削減することは、決して容認できるものではない。
 しかしながら、財務省においては、依然として基金の必要性・内容の更なる分析や、各年度に必要となる財源保障の適正規模の精査等を行いつつ、引き続き、必要な取組を検討するとしている。
 本市としては、全国市長会等を通じて、自治体の行政運営に必要な財政需要について的確に地方財政計画に反映させ、安定的な財政運営に必要な一般財源を確保するよう、引き続き国に働きかけていく。
 ⑶ 今後の基金活用等について
 基金の活用については、「中長期財政計画」でお示ししたとおり、厳しい財政状況が予想されることを踏まえ、今後見込まれる財源不足を解消するために活用することとしている。
 主な基金の活用方法としては、合併地域振興基金については、合併特例措置の縮減(普通交付税の一本算定と合併算定替との差額)に対応するため、これまで積み立ててきたところであり、毎年度の当初予算編成時に見込まれる財源不足に優先的に活用することとしている。公共施設建設等基金については、中長期財政計画に計上した投資的経費の財源として活用することとしている。また、財政調整基金については、雪害対策や災害対応など、当初予算では見込むことのできない財政需要が生じた場合に活用していくこととしており、今冬の大雪への対応として、7億5千万円を繰り入れしていることからも、基金の積立ては大変重要であると考えている。
 今後も、普通交付税の一本算定による歳入減や高齢化に伴う社会保障関係費、更には、公共施設等の老朽化に伴う維持修繕費の増などの影響により財源不足の規模が拡大していくことが予想され、基金への依存度がますます高まるものと想定される。このことからも、基金に過度に依存しない健全財政を堅持するため、将来を見据えた行財政改革に取り組んでいくことが重要である。
 なお、各種基金の推移については、これまでも広報紙やホームページに決算状況を掲載し、市民の皆さんにお知らせしているところであり、引き続き基金の活用方針を含め、本市の財政状況の周知に努めていく。

※答弁に対する私のコメント
 総務省が平成30年度地方財政計画を発表する前の地方財政対策の段階では、「地方交付税等について、地方の基金残高の増嵩は影響していない」という一文があった。基金に対する国のスタンスについては、今年6月に発表される見込みの経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2018で一定の方針が示されるのではないか。その動向を充分注視する必要がある。
 国レベルでは21兆円、射水市では100億円という数字がひとり歩きをしているのではないか?それを問題視している方たちに、基金は、無計画に積み立てているのではなく、なんのために、どれだけ必要であるのか丁寧な説明をされるよう望む。


問2 人材の確保について
 超少子高齢・人口減少社会の進行により労働人口が絶対的に不足してきていることを受けて、有効求人倍率はこのところ高率で推移しており、どの企業も人材の確保に苦労している状態とのことである。これを受けて、おしなべて民間企業は勤務条件等の待遇を改善しつつあることからか、最近は学生の皆さんの中でも民間志望が増えつつあり、公務員志望は減少しつつあると聞いている。こうした中でも将来の射水市を背負って立つ人材を確保していかなければならないのは当然のことだが、本市の最近の職種ごとの募集定員と応募の状況について伺う。
 また、かつての就職氷河期は過去のことであり、完全に売り手市場に移行しているものと思うが、そうした中で優秀な人材を確保するためには、いかに人生をかける価値がある職場であるかアピールする必要があると考える。今定例会で定数条例の改正が提案されているが、合併以来、普通会計ベースで233人、率にして26%の人員減、人件費は21億6千万円強の減、人件費比率も20.3%から11.5%への減とギリギリの態勢となっており、まさに限界に近い状態ではないか。さらには、昨年末に発表された本市のラスパイレス指数は94.6であり、県内10市中9位、3つの町よりも低く、全国の類似団体中でも最下位レベルということである。これから就職しようとしている方たちにとって魅力ある職場とするだけでなく、現在、働いている皆さんの士気の高揚を図るためにも、大胆な処遇の改善が必要であると考えるが、当局の見解を問う。

答⑴ 最近の職員採用試験の応募状況について
 本市の過去3年間、平成27年度から平成29年度までの職員採用試験の行政職及び土木職の募集定員と応募状況についてお答えする。
 まず、平成27年度試験は、行政職の募集定員15名に対し、受験者数は94名で、競争倍率は6.3倍、土木職は募集定員8名に対し、17名で、競争倍率は2.1倍であった。また、平成28年度試験は、行政職の募集定員11名に対し、受験者数は85名で、競争倍率は7.7倍、土木職は募集定員5名に対し、11名で、競争倍率は2.2倍であった。平成29年度試験は、行政職の募集定員9名に対し、受験者数が100名で、競争倍率は11.1倍、土木職は募集定員4名に対し、受験者数は6名で、競争倍率は1.5倍であった。以上のように、行政職については、競争倍率が高くなっている一方、土木職については、応募者が減少傾向にある。引き続き、受験者の獲得に向け、就職説明会の開催やホームページにおける職員採用情報の充実などの取組を進めていく。
 ⑵ 処遇の改善について
 現在、職員研修の充実や人事評価制度を活用し、職員の能力開発や専門性の向上を図るとともに、適正な処遇への反映に努めているところである。人事管理面では、能力・実績に応じ、主査をはじめ係長、管理職への登用を積極的に行っており、給与面においても、同様に職務・職責に応じた的確な処遇をしているところである。
 議員ご発言の本市ラスパイレス指数は、県内各市と比較しても下位に位置することは認識している。特に今年度は、算定上、本市の職員構成に国家公務員と著しく相違する階層があり、指数に大きく影響しているためで、一時的な要因も含んでいるものと捉えている。
 このことからも、大幅な処遇改善は考えていないが、人材の確保や職員のモチベーションは重要であり、引き続き、人事・給与の運用において、適正な評価を行い、的確に処遇に反映させてまいる。
 また、職員が健康で安心して働き続けることができる勤務環境の充実も必要であり、時間外勤務の縮減や休暇の取得促進、早出遅出勤務制度の活用、仕事と家庭の両立支援など、魅力ある公務職場の実現に取り組んでいく。

※答弁に対する私のコメント
 昨年12月議会で質問したが、中には職員の半数以上が臨時職員・非常勤で占められており、正規職員と同等の業務をしている職場もある。そういう状態では、ガバナンス的にもリスク・マネジメント的にもいかがなものか。安心で安全な住民サービスを提供するためにも、ぜひ改善していただくこと、優秀な学生の皆さんに選ばれる職場としていただくことを要望する。


※このやりとりの録画は、4月中にはインターネットで公開されます。

2017年6月27日火曜日

射水市議会6月定例会 予算特別委員会(6/22)での質疑の概要です

問1 所得税・住民税申告相談について
①今年、はじめて申告相談会場を本庁舎一会場に集約して申告相談を実施されたが、どのように総括しているのか。
 申告相談の期間中、6,350人の来場者があり、会場を1か所に集約した結果、ご自身の順番になるまで長時間待たなければならなかった、あるいは、会場が遠くなったなどのご意見をお聞きした。一方、多くのブースがあって、思ったより早かったとか、庁舎駐車場は書類もぬれないし、ついでにほかの用事もできた、などのご意見も頂いているところである。申告相談会場では、大型スクリーンに直近相談受付番号を表示し、ご自身の受付番号との比較により待ち具合の目安としていただいたり、テレビ番組の放映や雑誌の設置などにより、心理的な緩和措置に努めた。また、受付審査体制や会場レイアウトの状況に応じた変更、待ち人数を市ホームページやケーブルテレビのデータ放送で1時間ごとに更新してのお知らせ、昼の休憩時間も継続しての相談受付、夜間受付回数を例年より1回増設するなど、相談しやすい環境づくりに努めたところである。このことにより、申告相談期間の中盤以降は、時間を調整して来場された方もおられ、平均待ち時間も大幅に短縮することができ、おおむね順調に対応できたものと考えている。

②激変緩和措置として、拠点的な会場を数箇所選んで巡回相談するなどの対応が必要だったのではと考えるが、見解は。
 これまでは、受付会場が分散していたため、職員も複数の会場に分散し、それぞれの会場に固定せざるを得なかった。今回は、申告相談会場と課税課の執務室が共に1つの庁舎内にあるという利点を生かし、お待ちいただいている方の人数の多寡に応じ柔軟な対応ができるような態勢で臨んだところである。市としては、今回の受付状況等を踏まえ、よりスムーズな相談受付となるよう、次回は地区割り日程を見直す等、万全の態勢で臨みたいと考えている。また、公共交通の市庁舎へのアクセス方法も改善したところであり、今後とも市庁舎1か所での申告相談受付を継続してまいりたいと考えているので、ご理解とご協力をお願いしたい。

問2 旧新湊庁舎跡地利用について
①総務文教常任委員会の資料には、事業スケジュールが記載されていたが、いつごろ施設整備全体の概要が明らかになるのか。
 旧新湊庁舎跡地については、これまでも説明をしてきたが、公共と民間が連携して公共サービスの提供を行うPPPの事業手法を用い、民間のノウハウや活力を生かした整備を進めることとしている。このたびの事業で、民間事業者による施設整備は民間事業者が担うこととしており、何を主要な収益施設とし、どのようなテナントを入れ込むのかは、来年1月上旬の公募型プロポーザルにおける民間事業者からの提案により明らかとなる。民間事業者からの提案の後、射水市庁舎跡地利活用事業者選定委員会による検討を経て、どのような提案があったのかについては、3月定例会前には示すことができるものと考える。

②公共施設部分の整備条件は、いつごろ明らかになるのか、また、そこに港湾や水産など市の部署が配置される可能性はないか。
 実施方針には、公共施設の整備方針を示しており、必要な機能として地区センターや多目的ホール、市民交流スペースなどを施設の中に確保したいと考えている。おおよその規模などについては、公募型プロポーザルを実施する場合の要件とする必要があるため、8月に予定している民間事業者との個別対話をとおして具体化に向けた検討をし、9月定例会に資料を提出したいと考えている。議員ご提案の港湾や水産に関連する部署を配置してはどうかについては、事務効率の向上を図り、組織横断的な課題にも迅速かつ柔軟に対応できるよう分散していた行政機能を集約したものであることから、あえて分散配置するメリットは少ないものと考えるが、引き続き調査研究してまいりたい。

③民間事業者による事業化については理解できるが、市としての主体性はどこまで影響させられるのか、また、民間事業者参入の可能性の高さは。
 旧新湊庁舎跡地利活用事業は、民間の力を活用するPPPの整備手法を採用しているものの、あくまでも市が主体として行う事業である。新たな賑わいの創出、地域への貢献などを事業の基本方針として、市の施設の整備条件については、公募型プロポーザルの募集要項の中で示すこととなり、どの民間事業者の提案を採用するかについても、庁舎跡地利活用検討委員会からの報告や市議会からのご意見を伺いながらではあるが、最終的には市が決定することとなる。次に、民間事業者の参入可能性についてであるが、昨年度には、民間事業者による事業化の可能性調査を実施し、事業化の可能性は高いとの結論に至っている。現在もコンサルタントを通じて民間事業者に働きかけを行っている。今後、個別対話などにより、施設整備について条件整理を行い、より多くの民間事業者が参入意欲を高めてもらえるような募集要項を作成したい。

④改築される小杉社会福祉会館にも事業団体が入居する予定であり、使用料を徴収する予定であると聞いているが、賃料については、そちらとの均衡を図る必要があると考えるが見解は。
 旧新湊庁舎跡地で整備される施設、改築後の小杉社会福祉会館ともに、どのような団体が入居するのか、また、入居するとした場合、賃貸借なのか床の権利を購入するのか、賃貸借の場合の賃料はいくらなのかなど、現時点において決まっていない。仮に両施設に地元の事業団体が入居することとなった場合には、旧新湊庁舎跡地は民間の施設、小杉社会福祉会館は市の施設といった大きな違いがあることに加え、建設や維持管理にかかるコストの違いもあることから、委員ご提案の趣旨を踏まえながら、今後具体的な条件を提示し、協議する段階において検討してまいりたい。

射水市議会6月定例会一般質問(6/15)の質疑の概要です

問1「射水市版働き方改革の推進について」
 一点目の質問は「射水市版働き方改革の推進について」であります。
 去る3月28日に、政府の働き方改革実現会議は、長時間労働の是正などに向けた「働き方改革実行計画」を決定しました。加えて、市長は、今議会の提案理由説明において、職員の働き方に対する価値観や意識の改革を図るとともに、射水市が「働き方改革」の先導的役割を果たすことで市内企業に対しても「働き方改革」を促し、個人の所得拡大や企業の生産性と収益力の向上による地域経済の活性化に努めると述べられました。
 政府の実行計画については、時間外労働に罰則付きの上限規制を設定することになり、これまで青天井だった残業時間に、初めて法的な強制力がある歯止めがかけられることは、大きな前進と言えます。また、時間外労働の限度基準の適用除外業務である自動車の運転業務や建設事業も今後規制の対象とする方向性が打ち出されたことも評価できます。しかしながら、繁忙期の上限を「月100時間」未満とすることには、たとえ繁忙期であっても、労災認定基準のいわゆる過労死ラインに相当する残業にお墨付きを与えるものであり、過労死された方の遺族からも強い批判が出されています。時間外労働の上限規制は、あくまでも「これ以上働かせてはならない」というものであり、「ここまで働かせてもよい」というものであってはなりません。また、「名ばかり管理職」や、無理やり裁量労働制を適用するような抜け道や、時間外労働の総量規制の「年720時間」の上限に休日労働を上乗せして、年に960時間まで働かせることも可能となるという抜け道も指摘されており、いかに規制の実効性を確保していくのかが問われています。
 こうした中、先月の17日には、富山県庁において、職員の「働き方改革」を推進するため、各部局次長15人によるチームが設置され、初会合が行われました。会合では、県人事課が、増加傾向にある時間外労働の現状などを報告し、「会議の終了時間を明記する」、「過労死ラインを越える職員には医師による保健指導受診を促す」など重点項目をルールに定め、徹底することなどの対策案が提示されたとのことです。出席者からは「土日の行事が増えたが、平日に休みを振り替えにくい」、「資料作りが細かすぎるのでは」などの意見が出たとのことです。この推進チームは、本年度内に計3回会合を持ち、時間外労働を減らすルールを早急に作り、在宅勤務など柔軟な働き方の実現に向けて議論していくとともに、若手職員からなるワーキンググループも今後設けて、業務改善のアイデアを練っていく予定とのことです。
 本市においては、どちらかというと事務方・行政職に偏ったような取組となっている印象を受けます。全出先機関も含め全庁的に体系的・系統的に射水市らしい取組を推進していくためにも、県のように部局横断的な組織を設置するべきではないかと考えますが、見解をお伺いします。
 加えて、労働諸法規の遵守についても、ぜひ徹底をしていただきたいと思います。超過勤務の縮減を声高に叫ぶあまりに、現場が委縮して超過勤務をしても申請しない、あるいは月当たり時間数を頭打ちするなどして、サービス残業や風呂敷残業が横行してしまってはなんの意味もありません。県内では、サービス残業を一掃するためにパソコンの稼働記録をもって超過勤務時間を認めている自治体も出てきているとのことです。射水市では、ただ働きなど一切ないという状態にするために、労使ともに遵法意識を醸成する取組を強化していただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。
 また、政府の「働き方改革」では、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善が謳われています。雇用形態や男女間の差別を正当化したり、中高年層の人件費削減、家族的責任のある労働者の置き去りにつながったりしないよう、実効性のある均等待遇原則の法制化に向けた努力が求められています。本市においても、正規職員にひけを取らないような働きぶりをされている臨時職員の方もいらっしゃいます。このたび地方自治法や地方公務員法が一部改正され、任用の根拠条文の整理や処遇の再設計がなされるとのことです。本市においても、こうした法改正を踏まえつつも、臨時職員の皆さんの処遇の改善にぜひ取り組むべきであると考えますが、見解をお伺いします。

企画管理部長答弁要旨:
 本市では、職員の働き方改革を進める上で、ワーク・ライフ・バランスの推進、時間外勤務の縮減や年次有給休暇の取得促進などに取り組んでいる。また、7月からは、昨年度に試行実施した、職員の希望に基づく早出遅出勤務制度を本格導入することとしている。この制度は、育児や介護、趣味や自己啓発、地域活動等に活用でき、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方を支援していくものである。
 今後さらに働き方改革を推進していくには、働き方に対する価値観や意識の改革、職場の風土づくりや環境整備に全庁的、横断的な体制で取り組んでいく必要があると考えており、議員提案の部局横断的な組織の設置についても、今後の取組の一つとして、検討していきたい。
 職員の時間外勤務については、労働諸法規の遵守、長時間労働の是正や健康保持の観点から、勤務時間実績や実態を適正に把握していく必要があると考えており、今後とも事前申請の徹底や所属長から業務実態等のヒアリングを行うなどして、適正管理に努めていく。次に、臨時職員の処遇改善については、地方公務員法及び地方自治法の一部改正により、地方公務員の臨時・非常勤職員の任用及び給付制度の明確化と適正化が図られたところである。このことからも、平成32年4月の施行に向け、本市でも条例の整備や運用方針等の検討を行うとともに、県や他市の動向も参考にしながら適切に対応していきたいと考えている。

問2「介護保険法の改正について」
 職員の皆さんが、健康で人間らしく、明るく元気に働ける職場としていくことが即ち市の発展につながっていくというふうに思いますので、本当の意味での「働き方改革」の実現をめざしていただきたいと申し上げまして、次の質問に移ります。
 質問の二点目は「介護保険法の改正について」であります。
 先月26日、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」いわゆる改正介護保険法が国会で可決・成立しました。
 この改正については、「いわゆる現役並みの高額所得者」の利用者負担を3割に引き上げるなどの内容となっていますが、地域医療構想の策定や国保の県単位化など、社会保障制度全体が持続可能性を求めて、見直しや改正を行ってきている状況の中で、今回の改正によって介護保険制度については、今後、どのように変わっていくのか、改正の概要についてお伺いいたします。
 また、来年度からスタートする第7期介護保険事業計画に、この改正内容をどのように反映させていくのか、保険料の動向も含め、計画策定に向けた展望、あるいは現時点での見解を併せてお伺いします。

福祉保健部長答弁要旨:
 今回の改正においては、必要な介護サービスを将来にわたり提供できる体制を確立するために、大きく2点において改正が行われている。1つは、地域包括ケアシステムの推進を行うこと。2つは、介護保険制度の持続可能性を確保することである。まず、1つ目の地域包括ケアシステムの推進に係る主な内容については、(1)自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化を図るため、介護保険事業計画に介護予防と重度化防止の取組内容と目標値を記載することとなった。また、これらの取組に応じて、市町村を財政支援する仕組み(新たな交付金)が制度化された。(2)医療・介護の連携推進の取組として、医療と介護の機能を兼ね備えた介護医療院という新たな施設におけるサービスが創設された。このほか、(3)地域共生社会の実現の取組として、介護保険と障害福祉の両制度に共通のサービスを創設し、高齢の障がい者が一つの事業所で両方のサービスを受けられるようになった。2つ目の介護保険制度の持続可能性の確保に係る主な内容については、世代間・世代内の公平性を保ちながら、制度を維持し続けるため、(1)介護サービス費の2割負担者のうち、特に所得の高い方の負担割合が3割となった。(2)40歳から64歳までの2号被保険者の介護保険納付金に、これまでの加入者数割から報酬額に比例して負担する、いわゆる総報酬割が導入された。このように大きく2点について改正が行われたところであり、今後策定する本市の介護保険事業計画で的確に対応していく。
 第7期介護保険事業計画の策定に当たっては、第6期計画の実績を踏まえ、高齢者や介護事業者を対象にアンケート調査を実施し、地域性に即した効率的で効果的な介護保険サービスの提供に努めていくこととしている。介護保険事業計画の策定に当たり、今回の介護保険法の改正項目の一つである、地域包括ケアシステムの推進に係る取組については、今年の秋までに国から示される予定の基本指針に基づき、第7期計画に反映していく。また、もう一点の改正項目である、介護保険制度の持続可能性の確保のうち、特に所得の高い方の利用者負担割合が3割に改正されることについては、第7期の介護保険料の設定に際して介護給付費への影響を掌握し、費用見込額を推計する必要があると考えている。なお、市内の保健・医療・福祉等の関係団体等の方々で構成する「射水市高齢者保健福祉・介護保険事業計画推進委員会」を設置し、市の介護保険事業計画の見直しや円滑な実施について意見を伺うこととしており、介護保険法の改正についても、この推進委員会において検討していただくなど、適切に反映させてまいりたい。

問3「地域公共交通網形成計画の策定について」
 何よりも高齢者の皆さんの尊厳が守られ、安心して住み慣れた地域で生活できる、ご家庭で介護に当たられている方の負担が少しでも軽減される、また、介護事業所で働く皆さん方が安心して働き続けられる、そんな介護保険制度となることを願いまして、次の質問に入ります。
 最後の三点目の質問は「地域公共交通網形成計画の策定について」であります。
 近年のクルマ社会の進展や人口減少、少子高齢化などから、いわゆる「負のスパイラル」に陥り、地域で公共交通が立ち行かなくなる可能性もあることから、地域の総合行政を担う地方公共団体が中心となって、地域戦略の一環として持続可能な公共交通ネットワークを形成していくことが求められています。こうしたことから、平成26年11月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正され、地方公共団体が地域公共交通網形成計画を策定ができるようになりました。この計画は、地域公共交通の現状・問題点、課題の整理を踏まえて、公共交通ネットワーク全体を一体的に形づくり、持続させることを目的に、地域全体の公共交通の在り方、住民・交通事業者・行政の役割を定めるものです。
 この計画は、「地域にとって望ましい公共交通網のすがた」を明らかにする「ビジョンと事業体系を記載するマスタープラン」としての役割を果たすものであり、国が定める基本方針に基づき、地方公共団体が協議会を開催しつつ、交通事業者等との協議の上で策定することとされています。また、事業体系については、まちづくりと連携し、かつ、面的な公共交通ネットワークを再構築するために実施する事業について記載するものとされています。
 県内においては、富山市をはじめとした5市がすでに、この計画を策定している他に、去る3月に城端線・氷見線沿線4市で構成する活性化推進協議会がこの計画を策定されたところです。
 本市においては、昨年、新庁舎が完成するとともに、旧新湊庁舎跡地に公共交通ターミナルを設置する計画が進められているなど、地域交通の拠点とすべきポイントが明確となってきたところです。また、越中大門駅前の整備、万葉線庄川橋梁の老朽化や海王丸パークへの延伸など、解決すべき課題も山積しています。4年前に、市公共交通プランを策定されたところですが、地域公共交通をめぐる状況もさらに変化しており、富山県総合交通政策室も県内全市町村でこの計画が策定されるよう後押ししていきたいとされていることから、本市においても、この地域公共交通網形成計画を策定する必要があると考えられますが、見解をお伺いします。
 また、もし計画策定をすすめられるということであれば、免許証を返納されたような高齢者、障がい者や未成年者などの交通弱者が積極的に社会に参加できるよう移動の自由を確保するという視点が重要であると考えますが、計画策定に当たっての基本的な考え方についても併せてお伺いします。

市民生活部長答弁要旨:
 本市では、人口減少や少子高齢化の進展、市民の生活スタイルや価値観の多様化等、社会情勢が大きく変化する中、「快適で利便性の高いまちづくり」を実現するため、公共交通整備の指針として、平成25年9月に「射水市公共交通プラン」を策定したところである。このプランは、おおむね10年後を見据えたものであり、計画の後期である平成30年度以降に中間見直しの時期を迎える。この見直し時においては、「地域公共交通網形成計画」に必要となる、地域における様々な分野、例えば、まちづくりや観光、福祉等の関連施策との連携を盛り込み、「射水市公共交通プラン」を「地域公共交通網形成計画」として発展させ、平成30年度にアンケート調査を実施し、平成31年度に計画を策定したいと考えている。
 次に、地域公共交通網形成計画の基本的な考え方については、射水市公共交通プランの基本方針である、「①だれでも利用しやすい持続可能な公共交通網の構築」、「②快適な交通環境の整備」、「③広域交流を活発化する公共交通機関の充実」に加え、先程も申し上げた、まちづくりや観光分野の関連施策はもとより、交通弱者である高齢者、子ども、障がい者の方々等の福祉施策との連携についても盛り込んでいきたいと考えている。中でも、「通勤通学の足の確保」や「高齢者等の生活交通の充実」等を目的に、市内全域を網羅して運行しているコミュニティバスについては、交通弱者の方々の移動手段として重要な役割を担っていることから、旧新湊庁舎跡地に設置される公共交通ターミナルや市民病院等の交通結節点を中心とするコミュニティバス路線や、現在、大門・大島地区で運行しているデマンドタクシーを含め、全体的な見直しを検討する必要があると考えている。なお、策定にあたっては、現状や課題及びニーズを把握し、地域や利用者の代表、交通事業者等からなる協議会を立ち上げ、万葉線やあいの風とやま鉄道、民間路線バスを含めた地域にとって望ましい公共交通ネットワークの形成に向けて取り組んでいきたい。

2017年3月18日土曜日

射水市議会予算特別委員会(3/16)での質疑の概要です。

 3月16日に開催された市議会予算特別委員会で私が行いました質疑の概要です。

1 射水市の最近の有効求人倍率の推移は?
【答】射水市の有効求人倍率については、常用雇用と臨時雇用の合計値により算出されたものが、高岡公共職業安定所から公表されているが、2014年度の平均値が1.34倍、2015年度の平均値が1.60倍となっており、2016年度に入り、4月の1.58倍を最小値として増減し、直近の2017年1月には2.07倍まで上昇している。(2016年4月から2017年1月の射水市の有効求人倍率の平均値は1.75倍、2017年1月における高岡所管内平均は1.85倍、富山県内平均は1.71倍、全国平均は1.43倍)。この上昇傾向の要因は、高岡公共職業安定所に確認したところ、①年度末前に転職を要因とした退職者が増えるため、その補充に事業所の求人が年末から増加、②景気が良い現段階で人材を確保しようとする事業所の動きが顕著であるとのことである。

2-① 射水市は有効求人倍率が2.0倍を越えており、社会全体的にも人手不足となっている状況だが、市の臨時職員の充足率の推移は?
【答】本市の臨時職員については、一般事務をはじめ、保育士、調理員、看護師など様々な職種の方々に勤務していただいている。議員ご質問の充足率については、昨年4月及び10月時点において、各職種いずれにおいても、充足していたと認識している。また、来月4月に向けても充足されるものと見込んでいる。

2-② 一部の職種では、今年度に支出を予定していた人件費が大幅に余るなど、人材の確保が困難な局面を迎えているが、打開策は?
【答】現行では人材が概ね確保されているとはいえ、今後の対応については、他自治体の臨時職員の賃金状況に注視しつつも、一方で民間における人材確保の妨げにならないよう配慮しながら、賃金や勤務条件の改善などに努め、人材の確保に取り組んでいく必要があるものと考える。

3 市からの委託業務を受託している業者も人材確保に苦労していると考えられる。県内の自治体病院では、給食業務において業者が事業から撤退したり、契約金額が折り合わないなどで、直営に戻している病院が散見される状況だが、本市の学校及び病院給食調理業務の委託料は変動があるのか?
【答】「学校給食」において来年度から委託料が変動するのは、2017年度から2019年度の3カ年間契約である学校給食センターと大島小学校であり、学校給食センターが1億6,848万円、大島小学校は4,282万2千円の予定である。前回との比較は、学校給食センターが3.6%増、大島小学校においては5.2%増となる。増額の理由としては、調理員の労務単価や社会保険料などの法定福利費等が増えたことが要因である。
 「病院給食業務」については、2014年度から3年契約で民間の専門事業者に委託しており、2016年度で委託期間が満了となることから、現在2017年度からの契約手続きを進めているところである。委託料については、現在、委託する事業者と仕様書などの最終調整を行っているところであるが、年額で約960万円程度(約22%)増加する見込みである。増加の主な要因については、調理員などの労務単価の上昇による増加(約320万円、約8%)と、入院患者からの要望により寝たままでも食べられるよう、おかずを串ざしにした串ざし食の提供などの新たなサービスを実施することに伴う人員増などによる増加(約640万円)である。

2017年3月8日水曜日

射水市議会3月定例会一般質問(3/7)の質疑の概要です

去る3月7日に行いました一般質問の質疑の概要です。

問1「県が実施した津波シミュレーション調査の結果について」
 先月14日に富山県防災会議の地震対策部会が開催され、新たな津波シミュレーション調査の結果と県地域防災計画の改定案が審議された。翌日の新聞各紙には「津波 入善で最大10.2m」「富山・魚津 2分で到達」という大見出しが踊っていた。
 前回の平成23年度の県の調査は、主として呉羽山断層に起因する津波を中心とした内容であった。今回は、法律に基づいて国土交通省が海底調査を行い、新たな断層モデルを公表。これに基づき、県が最大クラスの津波を想定したシミュレーション調査を実施したとのこと。また、この他にも、東京大学地震研究所の「日本海地震・津波調査プロジェクト」が調査して公表した断層モデルについてもシミュレーション調査を行い、その結果が参考値として示された。沿岸各市における津波の高さなどは、新聞にも掲載され、2月21日に開催された全員協議会において、その概要が私ども議員に説明があったところだが、改めて、前回のシミュレーションとどのような違いがあるのか、射水市ではどのような被害が想定されるのか、市民の皆さんにわかりやくご説明をいただきたい。また、この調査結果を受けて、今後、県がどういう対応を取る予定なのか、伺う。

【答】今回の津波シミュレーション調査は、平成26年8月に国から日本海における新たな断層モデルが公表されたことを受け、富山県が「呉羽山断層帯」、「富山湾西側断層」、「糸魚川沖断層」による地震で発生する最大クラスの津波を想定し、その被害を予測されたものである。調査結果では、富山県で発生する津波は、太平洋側の海溝型地震が引き起こす津波と比べて、範囲は狭く、高さは低く、継続時間は短くなる傾向にあるとされる。3つの断層による津波の浸水域を重ね合わせた「富山県津波浸水想定図」では、本市に到達する津波の高さは、海老江の沖合30メートルの地点が最も高く、4.2メートルとなるが、陸上への浸水深は、東部の浜辺で2メートルを超える箇所もあるものの、海に面した地点では1メートルから2メートル、その他の浸水域では概ね1メートル未満となっている。また、3つの津波を重ね合わせた浸水域は、5.4平方キロメートルとなるが、本市ハザードマップで示している「避難が必要な地区」の中に概ね収まっており、見直しは必要ではあるが、これまでの避難方針を踏襲できるものと考えている。なお、木造建物の被害は、「糸魚川断層」による津波が405棟と最も大きく、人的被害は、「呉羽山断層帯」の9人が最多となる推計結果である。
 県では、平成29年度中に津波防災地域づくりに関する法律に基づく「津波災害警戒区域」を指定するとともに、「地震・津波防災読本」を作成する等、警戒避難体制の整備や防災意識の啓発に努めることとしている。本市においても、県が示す津波対策と整合をとりながら取り組んでいく。


問2「介護予防・日常生活支援総合事業について」
 介護保険法の改正に伴い、介護度-要支援1、2認定者に対するサービスが介護保険から切り離され、2014年から3年をかけて、市町村が主体となって実施する介護予防・日常生活支援総合事業へと切り替わることとなった。本市においても着々と準備を進めていることと思う。利用者やサービスを提供する事業所にとって最も気になるところは、利用者負担率あるいは報酬単価がどう変わるのかということではないだろうか。利用者負担率については、一定以上の所得がある方が3割負担になるなどの一部報道があったり、この間、デイサービスの報酬単価が引き下げられたりしてきているので、これらの動向も含めて、介護保険制度の改正の動向と利用者負担割合等について、伺う。
 また、この総合事業では「事業所等サービス」とともに「住民型サービス」が設定され、本市においては、現在、6団体が「住民型サービス」のモデル事業を実施しているとのことである。来年度以降、全地域で展開されるよう早期の事業着手を促進するということであるが、「いわゆる「強制」なのか?」、「地区によって人口規模が違うのに、全地区一律の助成・人的配置なのか?」、「利用者負担が発生するのか?」などの市民の皆さんの疑問の声を聞いているので、「住民型サービス」の今後の在り方や展望についても併せて伺う。

【答】介護保険制度については、世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、今国会に介護保険法の改正案が提出されている。主な改正内容は2項目あり、1点目は平成30年8月から利用者負担割合を見直すもので、年金収入等が340万円以上の特に所得の高い層の方については、負担割合を現行の2割から3割に引き上げるものである。なお、国においては、この対象者を高齢者全体の約3%と見込んでいる。2点目は、このほか高額介護サービス費の一般区分の月額負担上限額を見直すもので、平成29年8月以降37,200円から44,400円に引き上げようとするものである。総合事業における利用者の負担割合については、介護保険制度と同じ所得基準等を用いることから、1割負担もしくは2割負担としている。また、利用者の負担額については、現在の基準に基づき従前どおりのサービスを提供する『現行型』では、現在と同額程度の負担となる。また、従前よりも緩和した基準のサービスを提供する『緩和型』では、報酬単価を現行型の8割に設定しているため、おおむね2割程度、負担が減少する。なお、前述したとおりに介護保険制度の改正が行われれば、総合事業についても制度等の整合性の観点から3割の負担割合の導入と高額介護サービス費の月額負担上限額の適用を図りたいと考えている。
 本市においては、昨年10月から射水市地域支え合いネットワークモデル事業により地域住民とともに地域の支え合い体制づくりに取り組んでいる。このモデル事業は、既存の行政手法にとらわれず、住民を主体として、住民同士の支え合いの中で、地域の実情に応じた多様なサービスを創出することを目指しているものである。従って、構成人口の違いや高齢化率の違い等はあるものの地域振興会圏域を単位として、地域の特性を生かしながら実施形態や利用者負担なども含めて、地域の協議の中で決定し、地域のボランティアの力で実施していくことを想定している。市では、活動時の関係者間の連絡調整を行うコーディネーターの人件費や支え合い活動の運営経費等は、補助金という形で財政的に支援することとしている。また、関係者のネットワーク化、サービスの開発さらには生活支援の担い手であるボランティアの発掘や養成を担う生活支援コーディネーターを、市全域に1名、地域包括支援センター圏域等に6名配置し、生活支援体制整備の活動の促進と拡大を図っているところである。今後も、地域包括ケアシステム構築のため、行政と地域の方が一体となり「我が事」として取組んでいくことができるよう、出前講座での趣旨普及及び情報提供並びにモデル事業実施地域の活動報告会の開催等、様々な支援に努めてまいりたいと考えている。


問3「国民健康保険の県単位化について」
 これについては、一昨年の12月議会で一度質問したが、県単位化のスタートが、とうとう再来年度、平成30年4月に迫り、協議もだいぶん進んできていることと思うので、改めて、国保の県単位化に向けての協議の進捗状況や運営方針の概要について伺う。
 また、当然その中で、財政運営についても協議されていることと思うので、加入者の皆さんにとっての一番の関心事である保険税率がどうなっていく見込みなのか、現段階での見通しも併せて伺う。

【答】平成30年度の県単位化に向けて、現在、県及び各市町村並びに国保連合会で構成する富山県国保運営方針等連携会議を設置して、円滑な実施及び財政の安定的な運営を図るため、鋭意協議、検討を行っている。その内容は、国民健康保険の医療費や財政の見通しなどの運営方針の策定や、国民健康保険事業の事務の統一化、さらには、各市町村が保険税率を決定する際に参考となる標準保険料率等についてである。そのうち運営方針については、平成30年度からの各市町村の保険税率について、県は、市町村ごとに異なる保険税を統一するには、解決すべき課題が多く、すぐには統一しない方向性を示している。また、少しでも現行の各市町村の保険税率の水準に近づけることを目指し、国保財政の安定的な運営を第一に、新制度への移行を進めるとしている。
 平成30年度からの各市町村の保険税率は、県が市町村ごとの医療費や所得の水準を考慮して、算定の後、示される標準保険料率を参考に定めることになる。現時点では、国から都道府県に対して、基準となる数値が示されていないことから、保険税率の試算が困難であり、保険税率決定のスケジュールを勘案すると、大きな課題となっている。連携会議の中でも、この基準となる数値をできる限り、早期に提示されることが求められている。県内各市町村のひとり当たりの保険税額は、平成26年度において、最も高いところでは約10万9千円、最も低いところでは約7万8千円である。本市は約8万5千円で低いところにあり、県単位化後もできる限り、この水準を保てるよう、国や県に働きかけている。なお、県単位化に伴い、仮に、この水準が急激に増加した場合、少しでも現行の水準に近づけるよう、県は激変緩和措置を講ずるとしている。現時点におけるその方法として、一つには、県単位化に伴い、国から配分される「特例基金」の活用、二つには、県の一般会計繰入金の活用が考えられるが、具体的な手順や方法は今後、連携会議の中で協議していく予定である。また、県単位化にあわせて、本市の国民健康保険事業の財政運営において、財政調整基金からの繰入れに依存せず、単年度の収支均衡を図ることも検討すべき事案(項目)であると認識している。本市の保険税率の方向性については、これらのことを踏まえながら検討していくこととなる。いずれにしても、県単位化に向けて、保険税率については、その方向性が早くお示しできるよう、国や県に働きかけをして、適時適切に議会及び市民の皆様に、ご案内して参りたいと考えている。

2016年12月22日木曜日

射水市議会12月定例会予算特別委員会での質問

 続いて、20日の予算特別委員会での質疑の概要です。

【問1】小杉社会福祉会館改修による複合施設について
(1)現新湊交流会館と旧新湊福祉会館の面積比率について
 旧新湊福祉会館は、大規模な施設であったが、現在の新湊交流会館は小規模な施設になっている。その面積比率は?
【答】旧新湊福祉会館の延床面積1,859.9㎡増築前の新湊交流会館の延床面積580.9㎡を足した延床面積は、2,440.8㎡である。旧新湊福祉会館は、老朽化等により、平成22年に解体し、一部の機能を新湊交流会館に移転し、増築(約150㎡)している。現在の新湊交流会館の延床面積は76.8㎡であり、旧新湊福祉会館と単純に面積を比較すると、面積比率は、約30.2%である。

(2)小杉社会福祉会館の改修前後の面積比率について
 改修前は2,641㎡、改修後は3,091㎡で面積比率は117%となるということか?
【答】改修後の小杉社会福祉会館は、現在の大集会室部分を2階建てにすることから延床面積は増えることとなる。単純に面積のみを比較すればそのとおりだが、改修後の小杉社会福祉会館には、周辺の公共施設の機能を集約し、複合化を図ることとしている。計画のとおり、生涯学習センターの機能を持たせることとなれば、面積比率は下回ると考えている。

(3)「公共施設の適正化」担当部の所見について
 今回の小杉社会福祉会館の改修について、ランニングコストの面も含め、どのように捉えているか?
【答】改修に伴い、面積については、単館で比較すれば増となるが、旧小杉幼稚園を除却し、生涯学習センター機能を複合化していければ、施設の機能を高めつつ延床面積の抑制を図ることが可能となり、「公共施設等総合管理計画」の方針に沿った必要な改修であると捉えている。また、本総合管理計画では、ランニングコスト抑制の取組として、複合化等を推進しつつ、再生可能エネルギーや省エネルギー設備の導入に努めていくことなどを示している。


【問2】経済団体の合併について
(1)射水商工会議所及び射水市商工会への補助金額は?

【答】商工団体への補助金は大きく分けて、中小企業相談所事業及び経営改善普及事業に関するものと商工業振興事業、地域活性化や観光等に関するものがある。平成28年度の射水商工会議所への補助金については、計1,184.5万円となっている。射水市商工会への補助金については、計3,099.5万円となっている(両団体合計4,284万円)。いずれも中小企業者及び小規模事業者の経営改善や商工業及び地域の振興に必要な事業であり、今後とも適切な補助金交付に努めていく。

(2)経済団体の合併に対する市のスタンスについて
 コンパクトな射水市に商工会議所と商工会が並立しているが、合併することにより効率的な事業展開や補助金等の削減が可能と考えるが、両者の合併について市の見解は?
【答】商工団体の合併については、平成27年度の事務事業評価(外部評価)にあるように、両会の設立の根拠法や組織基盤が異なることから、現状では事業の平準化が難しく、合併は将来的な課題と考えている。まずは、両会が連携して事業を実施し、一本化に向けた気運を高めていくことが必要であり、市としては、両会で組織する射水市商工協議会を支援することによって事業をシフトさせ、一体感の醸成を図りたいと考えている。今年度は、射水市商工協議会が実施する事業として、商品開発や販路開拓を目指す産学官金交流事業や、中小企業等や地域の活性化を目的とした中小企業等振興研究会事業の支援を行っており、今後とも両会の連携強化や効率的な商工業の振興に努めたい。


【問3】人事評価について
(1)評価結果の反映について

 毎年9月末頃に市HPに掲載されている「人事行政の運営等の状況について」という文書に「評価結果を勤勉手当の成績率や昇給等に反映させています」とあるが、各部局、各職階ごとの賃金反映の状況は?
 県は当初からそれを公開し、労使協議の材料としている。
 市当局が恣意的に配分しており、評価結果が不明なままで「公平・公正性、客観性、透明性、納得性」が担保されていなければ、逆に職員のインセンティブを削ぐだけではないか?
【答】本市の人事評価制度の一般職における流れを説明すると、まず所属課長が面談を通じ評価を行う。その後、1次調整として所属部長等が部内のバラツキを調整する。次に、2次調整として企画管理部長が調整し、最後に副市長が調整内容を確認することとしている。
 「人事評価結果がブラックボックスに入ったまま」とのご指摘であるが、評価結果については、これまでも所属長のフィードバック面談等を通じて職員に通知することとしている。また、評価結果の反映等に関する苦情相談の手続きも設けている。以上のことから、「公平・公正性、客観性、透明性、納得性」については、担保されているものと考えている。
なお、本年4月から地方公務員法の一部改正の施行に伴い、「人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとする」とされ、人事評価の実施が義務付けられたことから、適時適切に対応していきたいと考えている。


※年明けには、インターネットで録画ビデオを見ることができるようになると思います。